効果絶大!スリランカの伝統医療アーユルヴェーダ

  • 2015/03/09
  • Sri Lanka

少しずつ、夜明けの時間が早まってきた2月のスリランカです。小鳥たちのさえずりで目覚めると、東の空には大きな金色の太陽が。早朝の空気はまだひんやりとしていて、淹れたてのセイロン・ティーが特別美味しく感じられます。

さて、スリランカ発第1号の記事でも少しご紹介していますが、皆さんアーユルヴェーダについてご存知ですか?最近、雑誌やウェブでちらほらと見かけるようになりましたよね。

ハーブオイルで至福のエステ?いいえ。BASBマガジンでは、現地発ならではの「患者が並ぶアーユルヴェーダ診療所」をご紹介いたします。本場アーユルヴェーダの施術やその診療所の雰囲気を、皆さまに少しでもお伝えできたらと存じます。

では、今回も特濃スリランカ体験にどうぞお付き合いください!

子どもからお年寄りまで!和気あいあい、アーユルヴェーダ名医の診療所

今回、私が訪ねたのは、商都コロンボから車で15分ほどの静かな住宅街です。このうちの一軒が、地方からもその評判を聞きつけて人が訪れるという、アーユルヴェーダ名医の診療所。庭には、椰子の木々が揺れ、南国らしい色鮮やかな花が咲き乱れています。とても静かで、聞こえてくるのは小鳥たちのさえずりと、椰子の葉を揺らす優しい風の音だけ・・

だと思ったのは、初めの5分程だけ・笑!ここはスリランカです。そんな癒しの時は、長くは続きませんよ~!!

待合所にいらっしゃる全ての方が、外国人である筆者に興味しんしんであることを、肌でぴりぴりと感じます。まず、動きを見せたのが小さな女の子。はにかんだ笑顔を見せたかと思うと、お母さんの影に隠れ、大きな瞳でじっと見つめてきます。次は、男性陣。もぞもぞと恥ずかしそうに席を譲ってくれるのでした。

「それで、今日は何を治療しに来たの?!」

やっぱり、口火を切るのは年配のお母様でした・笑。これを合図に、女性陣が「どこに住んでいるの、仏教徒か、スリランカは好きか?」などの質問フルコースを開始です。老いも若きも、目をきらきら輝かせ前のめりです!

この頃には、待合所の雰囲気はすっかり和み、皆さん口々に病気の悩みや、その治療法、旦那様の職業や子育ての悩みまで、尋ねもしないのに大披露してくれるのでした。アーユルヴェーダ名医の待合所は、すっかり大・井戸端会議場に!

このうち、地方から1時間以上もバスを乗り継いで通っているというお母様は、「私の針治療を見てみなさいよ~!」と私の手を引き診察室へ。通院前は、ひざが痛くて歩くことができなかったそうですが、今ではすっかり良くなったとのこと。「自宅で煮沸してきた」という針を使用し、微電流を流す針治療を受けていらっしゃいました。隣に座るお嬢様は、偏頭痛の治療として、頭部や手首・足首に針を打っています。

腰痛、肩こり、全身の痛み、そして指のまひ。当日お話した方々は、これらの症状を治すため通院なさっているそうです。筆者のように、美容目的で訪れる方は一人もいないのでした。スリランカの人々にとって、アーユルヴェーダはれっきとした「医療」であることを実感する瞬間です。

生命の科学(アーユルヴェーダ)で自然のリズムを取り戻す

さて、大盛況の井戸端会議を逃れ、ついに診察の時間です!

笑顔で迎えてくれたのは、伝統服の白いシャツとサロマがお似合いの先生です。カーテンに透ける柔らかな光が、診察室を明るく包んでいます。何十年も愛用なさっているであろうレトロな机のせいか、部屋にはノスタルジックで温かな雰囲気が漂っています。

「では、脈を診てみましょうか」

西洋医学と同様、アーユルヴェーダの診察でまず行うのが脈診です。この時、患者さんが抱える疾患のおおよその状況が分かるとのこと。同時に問診も行い、治療すべき点を明らかにします。

ところで、今回私が訪問した理由は「全体的な身体バランスの調整」と「美肌」です・涙。はじめは、緊急性も重要性も全くないリクエストに、少し驚いていらっしゃるようでしたが、すぐに優しくうなずき、「頭部のオイルマッサージ」、「肩のオイルマッサージ&ハーバルボール」、「フェイスマッサージ&スチーム」、鼻にオイルを垂らす「ナスヤ」のプログラムを提案して下さいました。

診察室に数脚しかない簡素なパイプ椅子に座ると、さっそく施術の開始です!オイル染み防止に、肩にタオルをかけて・・ なんてしませんよ~!

とろりと、柔らかなオイルの感触を頭頂に感じます。独特の青く優しい香りが漂い、「頭部マッサージ」の開始です。先生のマッサージは、リズミカルで適度な強さ。ハーブオイルの香りを胸いっぱいに吸い込んで、心が和んでくるのを感じます。

「ネッリ、ニーム、ゴトゥコラ・・」先生が、一つずつオイルに調合したハーブの名を教えて下さるのですが、全ては現地シンハラ語。語学力不足で、所々しか理解できませんでした。でも、シンハラ語でささやくハーブの名のなんて優しい響き!

次は、温めたオイルを使用しての「肩のマッサージ」です。首筋から肩まで、オイルを肌に馴染ませるようなマッサージが続きます。先生のご家庭は、お父様、お爺様、そして曾お爺様まで、歴代ずっとアーユルヴェーダのお医者様だったそうです。ご自宅には何十種ものハーブが茂り、先生自ら薬やオイルを調合なさっているとのこと。こんなお話を伺いながら、優しく柔らかな時が過ぎてゆきます。

布地にハーブをぎゅっと包んだハーバルボールを開いてみると、茶葉のような青い香りが立ち上りました。

そして、ジャスミンのように甘く上品に香るオイルで「フェイスマッサージ」・・ 先生の手は、顔の筋肉をなぞるように滑ります。「ハーバルスチーム」で、ハーブを煮出した蒸気を肌にたっぷりとあて、「ナハヤ」で鼻腔内のクレンジングを行います。鼻腔にオイルを垂らし、口から吐き出す?そんなことはできない~!と若干恐怖でもありましたが、先生のおっしゃるとおりに落ち着いていると、自然にオイルが喉へ流れ落ちてくるのでした。

どの施術にあたっても、先生が「辛くはない?痛くはない?」と気遣って下さるので、安心して幸せな気分で身を任せることができました。

夢見ごこちで施術を終え、時計を見るとおよそ1時間が経過していました。光降り注ぐ、静かな空間でのケアは特別な体験です。施術後、驚いたのはフェイスラインがぐっと引き締まったこと!ずっと気づかずにいた「むくみ」が取れたのでしょうか。ナハヤのお陰で、鼻が今までにない程すっきりと通り、何故だか視界もクリアになったようです。

昔から、大切に受け継がれてきた「生命の科学」アーユルヴェーダ。今回は、その絶大な効果を実感したのでした。

ちなみに今回の施術は、チップを乗せてもほんのRs. 1,500(およそ1,340円)。大きな格差社会のスリランカです。Rs. 100のお弁当を分けて食べる家族、そして友人とのお茶に気軽にRs. 2,000を払うマダムがいます。でも、こんな幸せな体験を、Rs. 1,500でできるなんて!罪悪感を感じなくても、いいですよね?

「今度、家族みんなで遊びにおいで」と、先生が仰って下さいました。ご自宅に茂るハーブや、薬を調合する様子を見せて下さるとのこと。スリランカらしく、ゆったりのんびりなプロセスかもしれませんが、いつか、きっと実現させたいと思います。(アーユルヴェーダの続編をお届けできるかもしれません!どうぞお楽しみに!)

では、次回の更新まで、どうぞ皆さま充実した毎日を!






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