ラテンの血が騒ぐ?!イタリアでアルゼンチン・タンゴ

  • 2015/05/19
  • Italy



Ciao!! イタリアはいよいよ春の到来です。冬の間眠っていた動物や草木が目を覚まし、色とりどりの花が咲き乱れ、心がうきうきする季節です。それと同時にあちこちから「はくしょん!」「はっくしょん!」と聞こえてきます。イタリア人も花粉症になるんですね!


それはさておき、今日はイタリアで人気の習い事をご紹介したいと思います。 それはアルゼンチン・タンゴ。その名の通り、南米アルゼンチンで誕生した踊りなのですが、アルゼンチンから遠く離れたここイタリアでも、アルゼンチン・タンゴは大人気!街のあちこちでスタジオレッスンのポスターを見かけます。

でもどうして「アルゼンチン・タンゴ」が人気なのか、疑問に思われるかもしれませんね。それを説明するために、少しだけ「アルゼンチン・タンゴ」についてお話します。

タンゴクラスの案内

アルゼンチン・タンゴについて

アルゼンチン・タンゴが誕生したのは19世紀中ごろ、南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでだと言われています。そのころのブエノスアイレスには、仕事を求めてヨーロッパ人、特にラテン系のスペイン人やイタリア人が多く移住してきていました。日々の過酷な労働で疲れた心、遠くの故郷を思う切ない気持ちを癒すため、労働者が集う酒場で踊られるようになったのがアルゼンチン・タンゴの始まりだそうです。


私は「タンゴ」といえば、男女ががっつり抱き合って、それはもう情熱的に踊るものと思っていましたが、当時は男性同士で力強く踊ることもあったようで、とても奥が深いものなのだと知りました。

アルゼンチン・タンゴの誕生にイタリア人が深く関わっていたということですから、イタリア人にとってすごく身近な踊りなのです。音楽を聞けば、彼らの体に流れるラテンの血が騒ぎ出すのは、当然のような気がします。

アルゼンチン・タンゴのレッスンをのぞきましょう!

スタジオ外観

今回お邪魔したのは、トスカーナ州ピサにあるCentro Nagual(チェントロ・ナグアル)というスタジオです。このスタジオでは、アルゼンチン・タンゴのほか、サルサ、カポエラ、ベリーダンス、クラシック・バレエ、ヨガ、太極拳などなど多くのコースがあり、それぞれプロの先生が指導を行っています。身体にハンデのある方も利用できるように、スタジオはバリアフリーになっています。

多彩なクラス

このスタジオでアルゼンチン・タンゴを教えているのは、ルカ・トゥルピアノ先生。お茶目でやさしいイタリア人男性です。

レッスンは初級、中級、上級で時間帯が分けられていて、週1回90分のレッスンをおこないます。月謝は38ユーロ(約4800円)でイタリアの習い事としては平均的な価格です。

タンゴのポスターなどが飾ってあります。

レッスンの流れは次のような感じです。

まずはウォーミングアップ。ペアになって、今までに習ったステップを復習しながら自由に2曲踊ります。

そのあと、「今日のステップ」を先生のお手本と説明を聞きながらイメージをつかみ、実際にやってみます。基本のシンプルなステップに慣れると、複数のステップを組み合わせたステップへと移って行きます。ルカ先生は生徒の間をまわり、的確なアドバイスをしていきます。

最後に、新しく学んだことを踏まえて、2・3曲踊ってレッスンは終了です。

レッスン風景1

習いたいけど、一緒に行く相手がいないわ・・・

ルカ先生のレッスンでは、曲が変わるごとにパートナーをチェンジするので、必ずしも男女のペアで参加しなくてもいいのです。色々な人と踊ることで、輪が広がり踊りの経験も増えるので、そのほうがいいとルカ先生は言います。

ときどき男女の数が合わないということもあるようですが、1曲終わればまたパートナーチェンジとなるので、レッスン中ずっと一人ということは絶対におこりませんし、一人の間は鏡を見ながらステップのおさらいや姿勢のチェックをすればいいのです。

このパートナーチェンジのおかげで、ルカ先生のレッスンは一人でも気軽に参加できるということでとても人気があり、どのレベルのクラスにも大体15人かそれ以上の生徒がいます。

レッスン風景2

また、アルゼンチン・タンゴのいいところは、老若男女みんなが楽しむことができるということです。複雑なステップをキメる必要はなく、音楽を感じて、それに合わせて気持ちを込めて“歩く”だけでもいいのです。実際、今回お邪魔したCentro Nagualのレッスンでは、大学生から定年を迎えた方まで幅広い年齢層のイタリア人に出会いました。

レッスンの後も、まだまだ踊り足りない!!

私が参加したルカ先生のレッスンは午後9時半から11時まででしたが、レッスンの後に生徒の方から「ミロンガ」に誘われました。ミロンガとは、タンゴを楽しむダンスパーティーのことです。

ダンスパーティーといっても、ドレスを着て参加するようなフォーマルなものではなく、音楽とダンスをみんなで楽しむ集まりです。上手下手は関係ありません。

レッスンに参加していた人たちは、レッスンだけでは踊り足りないようで、いつもどこかで開催されているミロンガに行って、夜の2時くらい(ミロンガによっては朝方!)まで、タンゴを楽しむのだそうです。

ミロンガ

ミロンガは、ダンスホールのあるカフェやディスコがお決まりの場所ですが、夏場は屋外でもしばしば開催されます。夕暮れ時の海辺のテラスで開催されるミロンガは、ロマンチックで本当に素敵なんですよ。

屋外ミロンガ

「秘密のミロンガ」にちょっとドキドキ・・・

営業が終了した人気のないアーケード街などで不定期に開かれる「秘密のミロンガ」と呼ばれる、ちょっとドキドキするミロンガもあるのです。なぜ“秘密”なのかというと、大々的に宣伝しないで人から人へと開催日や場所が伝えられるからなんです。それでも30人くらいは集まるので、アルゼンチン・タンゴの人気が高いことがわかります。そうやって、開催日時や場所の情報をやりとりしていると、いたずらを計画する子供みたいでドキドキわくわくするものです。

パソコンにつないだスピーカーから流れる音楽に合わせて、思う存分踊るのです。次の日が仕事でも関係ありません。

秘密のミロンガ

「平日の夜で、しかも明日も仕事なのに大丈夫?」と私が尋ねると「アルゼンチン・タンゴを踊れば、仕事の疲れも取れて、明日からもがんばれる」と返ってきました。さらに、「一日が仕事だけで終わるなんて悲しすぎる」とも。なるほど!


好きなことに全力を注ぐイタリア人が、私は大好きです。


おまけ・・・

ヴェネツィアのムラーノ島というところに行ったとき、とてもロマンチックな街灯を見つけたので、紹介させてください。ガラス工芸が盛んなことで有名なムラーノ島の街中にはガラスのオブジェがたくさんあります。私が見つけた街灯のオブジェは『恋に落ちた街灯(lampioni innamorati)』という作品名で、街角にひっそりと立っていました。タンゴとは関係ありませんが、タンゴを踊る二人のように見えませんか?

ムラーノ島に行くことがあれば、ぜひこの素敵な街灯を探してみてくださいね。

『恋に落ちた街灯(lampioni innamorati)』






【取材協力】






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