イタリアのベジタリアン事情とベジタリアンレストラン

  • 2015/02/01
  • Italy



Ciao!! イタリアでは、雨降りの秋が過ぎ、冬に突入いたしました。冬といっても毎日ポカポカ陽気が続いています。去年はお出かけのとき、コートはもちろん、マフラーと帽子と手袋という完全防備でも寒かったのに、今年はコートだけでも出かけられるくらい穏やかな寒さです。


さて、お話は変わりますが、みなさんは「ベジタリアン」という言葉を耳にしたことがありますか?私はイタリアに来て、「ベジタリアン」という言葉によく出会うようになりました。ベジタリアンを実行している友人もたくさんいます。先日、友人に誘われて、ベジタリアンレストランなる場所に連れて行ってもらったので、そのお話をしたいと思います。

ベジタリアンとは

レストランの話をする前に、「ベジタリアン」について少しお話しましょう。ベジタリアンとは、簡単に言うと「菜食主義」のことで、肉や魚を食べないで野菜中心の食生活をしている人を指します。おおまかに4つのグループに分けることができます。


・ビーガン
  肉類、魚介類、卵、乳製品、ハチミツを食べない人たち。酵母さえ食べない人もいる。動物製品の使用も避ける。

・ベジタリアン
  肉類、魚介類を食べない人たち。卵・乳製品は食べる人をオボ・ラクト・ベジタリアン、乳製品を食べる人をラクト・ベジタリアンといって区別することもある。

・ペスクタリアン
  肉類は食べないが、魚介類は食べる人たち。

・フルータリアン
  果実や木の実など、植物を殺さない食品のみを食べる人たち。

どうしてベジタリアンになるの?

Eurispes(イタリア統計研究会)の調査によると、イタリアの人口の7.1%がベジタリアンかビーガンだそうです。ベジタリアンレストランや自然食品店をよく見かけるように思うので、日本よりベジタリアン人口が多いのかなと感じます。普通のレストランでも、ベジタリアンであることを告げると、可能な限り対応してくれるので、レストラン側も慣れているのだと思います。

私は「ベジタリアン」と聞いて、宗教で肉食を禁止されているのかなと単純に考えていたことがありました。でも、それだけではないようです。もちろん、肉食や殺生を禁止している宗教はありますが、イタリアではどちらかというと、健康のため、動物愛護や環境保護のために、ベジタリアンを選択する人が多いようです。

イタリア国内のベジタリアン(ビーガンも含む)のなかで30%以上の人が動物を尊重するため、24%の人が体質・健康のため、9%の人が環境保護のために、動物性の物を食べたり使用しりすることを避けているということが、Eurispesの調査でわかっています。

ベジタリアンレストラン “Brac”

私が友人に誘われて訪れたベジタリアンレストランは“Brac”(ブラック)という名前のライブラリーカフェで、フィレンツェの中心地にありました。店の前には看板がなくて、ガラスの入口ドアに店名がうっすら描いてあるだけだったので、知らないとうっかり通り過ぎてしまうような、ひっそりとしたお店です。

私たちは14時頃に着いたのですが、店内は満席。予約をしておいたので、すぐにテーブルに案内してもらえました。予約は電話かメールで受け付けています。予約をしていなくても入れるので、特にいそがないのであれば、席が空くまでのんびりと待っていてもいいでしょう。

落ち着いた雰囲気の店内は、アート系を中心とした本がたくさんディスプレイされていました。中庭にもいすやテーブルがあって、天気が良い日はそこでくつろぐこともできます。アンティーク家具と古い投影機と現代アート作品が絶妙に混じり合っていて、時間がゆっくり流れているような不思議な居心地の良さを感じました。

周りを見てみると、仕事仲間のグループや家族、お友達、ご夫婦など、子供から大人まで色々な人がお客さんとして、食事と会話を楽しんでいました。しかも、ランチに来るお客さんの足は16時ぐらいになっても途絶えることがありませんでした。

メニューは、サラダ・パスタ・メインのワンプレート盛り合わせが12ユーロ(約1700円)で、単品で注文する場合は、一品だいたい7ユーロ(約1000円)前後でした。

私は洋ナシのカルパッチョとドライトマトのスパゲッティーを、友人はアボガドのサラダとトレビスとゴルゴンゾーラのリゾットを注文しました。メニューを見ながら「ちょっと高いんじゃない」なんて話していましたが、料理が運ばれてきたら、けっこうなボリュームで値段にも納得できました。最後に、にんじんとくるみのケーキを仲良く分けて、私達はランチを終えました。


余談、イタリア人と豆腐

ベジタリアンにとって、大豆は大事なたんぱく源。「大豆は畑の肉」なんて言われていますよね。特に豆腐は、ベジタリアンだけでなく、健康志向のイタリア人にも大人気で、スーパーのベジタリアンコーナーでは、豆腐や豆腐を使ったハンバーグが売られています。自然食品店に行けば、味噌や醤油、わかめと一緒に、にがりなんかも売っているので、手作り豆腐も作れます。

ただし、豆腐の味がわかるイタリア人は少ないようで、「豆腐を一度食べてみたけど、味がしなくてあんまり好きじゃない」とか「無味のチーズ」ということをよく聞きます。

今回訪れた“Brac”でも、グルテンミートを使った料理はあったけれど、豆腐を使った料理はありませんでした。

日本ではほぼ毎日豆腐を食べていた私としては、豆腐のおいしさが伝わらないのはとても残念なので、これからはどんどん豆腐を使った料理をイタリア人に紹介したいと思います。

今回は野菜だけを使った料理を出すレストランだったので、満足できるかなと、心配しましたが、そこは食べることが大好きなイタリア人が通うレストランだけあって、盛り付けも、彩りも、ボリュームも、とても満足することができました。

ベジタリアンについては、人それぞれ意見があると思いますが、私は、動物のことや地球のことを考えて、自分のできることをするのは素敵なことだなと思いました。






【取材協力】

【参考】






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