イタリア人にも和の心!?イタリアの温泉事情とは

  • 2014/07/06
  • Italy



Ciao!! おいしい食べ物とワイン、まぶしい太陽に照らされて、いつも陽気な国、イタリア。そんなイタリアから、わたくし山本が様々な情報をお届けします。



さて、イタリア人はどうやってストレスを解消すると思いますか?

「いやいや、イタリア人はストレスなんてないでしょ」と思っていませんか?

ところが、いつも陽気なイタリア人だって、時にはストレスを感じちゃうんです。ストライキで電車やバスが来なかったり、役所や郵便局で何時間も待たされたり・・・。

食べて、飲んで、歌って、いろいろなストレス解消法がありますが、今回はイタリア人の中でも特におシャレに敏感な人たちに人気の、ストレス解消法をご紹介いたします。



その解消法とは「テルメ」なんです。『テルマエロマエ』という漫画が注目を集めたので、ご存知の方もいるかもしれませんね。「テルメ」とはイタリア語で「温泉・浴場」という意味です。

イタリア人も日常から離れて、温泉で癒されたいと思うんです。温泉に浸かってほっこりするなんて、なんだか日本人みたいですよね。

庶民派の温泉 Terme di Casciana (カッシャーナの温泉)

イタリアには多くの温泉があるのですが、特にトスカーナは温泉が多いことで有名です。

温泉はゴージャスなホテルに併設されていることが多く、入浴のみでも50ユーロ、日本円で7千円くらいと、ちょっと高めのお値段です。

しかし、庶民派の温泉もあります。



そこは Terme di Casciana (カッシャーナの温泉)!

庶民派といっても、病気怪我の治療やリハビリにも利用される、とても立派で由緒ある施設なんです。医者から温泉治療が有効と診断されたら、その診断書をもって温泉保養施設に入ります。通常、治療やリハビリで温泉施設に滞在する場合は国から滞在費や入浴料の補助があります。それくらいイタリアでは温泉の有効性は認められているのですね。治療目的の滞在は1週間から1ヶ月以上と、中・長期になります。もちろん1日だけのリラックスにも利用できます。エステやマッサージなどのオプションを選ぶことができるので、友達とちょっと贅沢な休日を楽しむのもいいですよね。

このカッシャーナの温泉は入浴料15ユーロと、他の温泉施設に比べるとかなり安いです。日帰りの場合は予約もいらないので気軽に立ち寄ることができます。マッサージやパック、リハビリなどのオプションを希望する場合は予約をしなければいけませんが、インターネットのホームページから簡単に予約することができます。ホテルは併設されていないので、宿泊をする場合は別で予約しなければなりませんが、施設の周りにはいくつもホテルがあるので、温泉施設とホテルを徒歩で行き来することができて便利です。

この温泉は、値段が手ごろなのが魅力ですが、清潔な環境に慣れている日本人にとっては満点とは言えないかなという印象でした。というのも、ところどころ錆や水垢が出ていたり、シャワーをしないで入浴しちゃう人もいたり・・・。衛生観念の違いなので、仕方がないのですが。

さて、そういうことは考えないようにしながら、私も入ってきました。

イタリアの温泉は水着を着用して入ります。少し温度の高めな温水プールを想像してもらえばわかりやすいかと思います。でもプールみたいにガンガン泳ぐのではなく、ぷかぷか浮かんだり、ゆっくりウォーキングをしたりします。ジャグジーやジェットもあって、腰、肩、背中を刺激して、リフレッシュできます。私もジャグジーで体をほぐしながら友人とおしゃべりをしていたら、あっという間に2時間が経ってしまいました。

温泉のプールは庭に囲まれていて、少し疲れたら温泉から上がって休憩することもできます。イタリア人はそこの芝生に寝転んで、こんがり小麦色の肌を目指します。イタリアでは日焼けした肌はセクシーで魅力的だと考えられているので、男性も女性も日焼けに精を出します。

私もドリンクを片手に木陰でひと休み。ときどき吹いてくる心地いい風を感じながら、ついウトウトしてしまいまた。

自然の中の温泉 Bagno Vignoni(ビニョーニ浴場)とBagno San Filippo(サン・フィリッポ浴場)

家族連れや旅行者にも人気なのが、予約の要らない自然の中の温泉です。無料なのも個人的にうれしいです。周りは温泉街のようにはなっていないので、お店もなくて、温泉に入るだけという感じです。

ひとつは Bagno Vignoni(ビニョーニ浴場)。

トスカーナの風景を楽しみながら入れるオープンエアな温泉です。温泉の見た目は乳白色の池という感じです。無料なので脱衣所はありません。でも、みんな器用に隠しながら着替えていたので、私もマネをして生着替えです。水着になったら、いざ入浴!

片足を入れた瞬間にゅるりと泥に足を取られる感覚が・・・。この泥がお肌に良さそうです。体や顔、髪に泥パックをしている人がいました。が、私はこの泥の感触が苦手でそそくさと上がってしまいました。

このビニョーニ浴場のある町の中心には広場があって、その広場にも大きい浴槽がありますが、ここは入浴禁止でした。でも、その近くに人工の小川が流れていて、そこで足湯を楽しむことができました。まさかイタリアで足湯を体験できるとは思っていなかったので、ちょっと日本を思い出して胸が熱くなってしまいました。

それからもう一つ、私のお気に入りは Bagno San Filippo(サン・フィリッポ浴場)。

ここは「白い鯨」という愛称の白くて巨大な岩が目印の、山の中にある知る人ぞ知る温泉スポットなのです。

温泉の成分である石灰が長い年月をかけて蓄積され、なんとも神秘的な景色をつくり上げています。 温度は低めなので、夏に木陰でゆっくり浸かるのにぴったりです。浅瀬に寝そべって流れを肌で感じるもよし、淵で肩までゆっくり浸かるもよし。いろいろな楽しみ方ができるのがポイントです。川の流れる音と鳥の声を聞きながら温泉に癒されるなんて、本当に幸せなひと時でした。



日本では寒い日に温泉につかって、体の芯から温まるというイメージなのですが、イタリアの温泉は、どちらかというと夏にレジャーのように楽しむものという印象を受けました。 温泉がある町のおみやげといえば、温泉の成分が含まれる化粧水や石鹸、ボディースクラブ、パックなのが人気です。

日本だったら温泉卵なのになぁと思いながら、私のテルメ巡りは幕を閉じたのでした。






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