33年に一度の日食と宗教的習慣

  • 2016/06/20
  • Indonesia

バティックの部屋着を着た女の子

33年に一度

2016年3月9日、インドネシアでは、朝からテレビは日食の話題で持ちきりだった。インドネシアでの日食は33年に一度の周期で回ってくるため、次に日食が見られるのは2049年になる。残念ながら私が暮らしているバンドゥンでは部分日食しか観測できず、昼間なのに暗くなる天体の不思議を体感することは出来なかった。

その日は祝日(*)だったため、バンドゥンでは仕事が休みのイスラム教徒が日食の日に行う特別な礼拝に大勢参加していた。朝からマスジドという礼拝施設から神様を讃える声が聞こえてきて、太陽が隠れる前に合同礼拝が行われた。

(*ヒンズー教のニュピと呼ばれる祝日で、インドネシアでは休日となっている。「ニュピ」とは、サカ暦の正月にあたり、ヒンズー教徒はその日は終日静かな環境で瞑想を行い、仕事や外出等の活動をしない。)

揚げせんべいを乾燥しているところ

ちなみに33年前の日食では、バンドゥンも夜のように暗くなったそうだ。少しずれてしまったのだろうか。次の日食のときはぜひ、昼間なのに暗くなる体験をしてみたいものである。

他宗教に配慮すること

ヒンズー教徒が多いバリ島では、イスラム教徒は徒歩で礼拝施設まで行くことや拡声器を使わないで礼拝をすることなど、ニュピを行うヒンズー教徒に不快感を与えないように配慮して日食礼拝が行われたそうだ。異なる宗教をもった人が共存するインドネシアでは、このように他の宗教のことを考えた行動を取る必要がある。他にも例えばイスラム教の断食月のときは、レストランや食べ物を売るお店は外から店内が見えないようにカーテンや曇りガラスをつけてくれる。

ポーズをとる子供

しかし、宗教的な面では他人のことを考えられるのに、交通面ではまったく他人のことを考えられないのはどうしてなのだろうと思う。割り込みや左からの追い抜きは日常茶飯事だ。バイクの走行態度はもっと悪い。それからゴミの問題に関してもポイ捨てが止められない。道端に捨てられたゴミが水路を塞いで洪水を悪化させてしまうこともあるから重大な問題である。

お祝い用の服を着た女性たち

日本語を学ぶインドネシアの学生

最近、『バンドゥンにあるパジャジャラン大学で日本語を勉強しているから、話し相手になって欲しい』と通って来てくれる人がいる。リサさんという名前の22歳の女の子だ。日本へも行ったことがあるそうで、町にゴミがなくて綺麗だったことや人が親切で優しかったことが印象的だったと話してくれた。日本旅行で唯一困ったなと感じたのは、多くの食品に豚肉が入っていたことだと言っていた。イスラム教では豚は汚い生き物だとされているため、食品の中に豚肉が入っているのはとても気持ち悪く感じるのだ。

道端で買い食いをする子供

イスラム教徒と豚肉

以前日本にいたときには、誤まって豚肉の入っている食べ物を食べてしまったイスラム教徒の友人が何人もいた。日本の生活に慣れていた彼らは笑い話にしていたけれど、もしもインドネシア国内で暮らすイスラム教徒が誤まって豚肉を食べてしまったら、言葉では言い表せないほどのショックを受けるだろう。

ピクニックをする家族

インドネシアでは、イスラム教徒用に売られている食品の中に豚肉が混入してしまったりなどしたら、すぐにニュースに取り上げられてしまう。昔、日本企業の調味料に豚由来の成分が入っていたときは大ニュースになったそうだ。食品管理が浸透していないインドネシアでは、最近でもイスラム教徒用に作られた肉団子の中に豚肉が混じっていたという話があった。

ハラルマークは安心印?

インドネシアではいろんな宗教の人が共存しているため、イスラム教徒が食べられる食品には大抵ハラルマークと呼ばれる印が付いている。ハラルとはイスラム教で衣食住において許されていることを示す。

食べ物を売る行商

日本のように厳しい食品衛生基準が地域にまで浸透していないインドネシア国内において、ハラルマークはそれに替わる役割を担っているのだけれど、実際には、インドネシアに星の数ほどある屋台や小さな食堂の多くは自己判断で店の商品にハラルマークを掲げているところが多い。だから私の場合、食事するための屋台や小さな食堂を選ぶときは、ハラルマークの有無だけではなくて、その店が賑わっているかどうかで決める。この選び方はどうやら正しいらしく、今のところ外れはない。

近所の子供たち 1

スーパーなどでもしも店頭に同じような商品があったとすれば、イスラム教の消費者はハラルマークがある方を好んで選択することが多い。日本で土産物を選ぶときも、ハラルマークの有り無しを一番に確認しているが、今のところハラルマークのある土産物は少数派だ。原料表示を読んで自分で判断しなければいけないところは少し面倒だと思う。けれど去年、岡山の廣榮堂という会社が自社の商品にハラル認証を取得したニュースがあったから、もしかすると今後は日本でハラル認証がある土産物が増えてくるのかもしれないと期待している。

大きな荷物を乗せて走るバイク

日本に行きたい

私の家に日本語を勉強しにやってくるリサさんは日本で暮らしてみたいらしく、日本へ行く方法を探している。先日は滋賀県がインドネシア人の働き手を募集しているという情報を手に入れて、面接に行こうとしていたが、宗教上頭に巻く布(クルドゥン)の着用が許可されなかったため残念そうに辞退してきた。

近所の子供たち 2

次は日本語能力試験を受けて、日本の大学で勉強する目標を掲げている。私は少しでも彼女の役に立てるように、彼女に日本語についての説明をしっかりできるように、インドネシア語の勉強を頑張る今日この頃である。

おまけ -- 日本の戦隊ヒーローは大人気

【参照】






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