インドネシアでオリジナルYシャツを作ってみよう

  • 2015/10/19
  • Indonesia

バティック生地を売っている店。バンドゥンのパサール・バルの中にある

私が住むインドネシアのジャワ島西部にあるバンドゥンが、ファッションの街として有名なことは、以前の記事でご紹介したことがある。今回はインドネシアの伝統的な布であるバティック生地を使って、オリジナルの紳士用Yシャツを作ってみようと思う。

バティック生地を購入する

まず初めに、バンドゥンの中心地にあるパサール・バルという有名な市場(建物)でバティック生地を購入した。パサール・バルのことも以前の記事で少し触れたことがあると思う。ここはバティック生地だけではなく、バンドゥンで生産されている様々な布生地が揃っていて、服飾関係の仕事をしている人にとっては無くてはならない市場だ。一般の人もメートル単位で購入することができるので、観光の際に立ち寄ってみるのも面白いかもしれない。階によっては布生地だけではなく、服や靴や鞄や生活用品のお店がところ狭しと並んでいて、格安な値段で流行りのものを購入することができる。

バティック生地を売る人

今回は縞模様のバティックと、店員おすすめのインドネシアらしい草木柄のバティックを、1mあたり約400円で購入した。そのフロアの布を扱う店にはどこも壁一杯に商品が並べられていて、一日中見て回っても時間が足りないくらい品揃えが多い。下調べせずに初めてここに来た人は、お目当ての布を手に入れるのに苦労するかもしれない。私の義母は何か祭事がある度にここで布を買って、洋裁店で新しい服を仕立てているので、どの店の布が良いかをよく知っていて今回の買い物はわりと短時間で済んだ。

購入したバティック生地。色違いの生地も購入した

生地を仕立てよう

良いバティックの布生地が手に入ったら、今度は洋裁店に行く。長袖のYシャツを作る場合、約2mほどの長さが必要だ。洋裁店はパサール・バルの近くにもあるが、義母はバンドゥン市街から離れた場所にあるマジャラヤという町に行く。インドネシアでは洋裁店がどこにでもあるけれど、店によって仕立て価格や出来上がりの品質が大きく違ってくる。バンドゥン市街にある立派な洋裁店で仕立てれば、滅多に失敗することはないと思うけれど仕立て価格が高くなってしまう。一般的なインドネシア人は口コミを頼りに優良な店を探すのだ。もちろんこの口コミは人伝いに広まったもので、インターネットで調べるわけではない。

洋裁店へ続く道。看板もないので迷いそうだった

マジャラヤにある義母おすすめの洋裁店は、店というよりも民家だった。山の上の集落にある、体を縦にしないと進めないような細い路地の先の小さな家の中に、使い込まれた一台の足踏みミシンが置いてある。薄暗い部屋の中にミシン台の場所だけランプで照らされているのが印象的だった。土間で靴を脱いで家に上がると、60歳近いその家の主人が出迎えてくれた。仕事場であるミシン台が置かれた居間には、いつもテレビがつけっぱなし置かれている。ここの洋裁店が優れている点は、ボタンを締める部分で、左右のバティック柄がきっちりと繋がることだ。バティック柄で洋服を仕立ててもらうとき、店によっては左右の柄が綺麗に繋がらないことがよくある。インドネシアの男性が着るバティックの洋服はYシャツか詰襟のスタイルが多い。今回は全てYシャツに仕立てて貰ったが、詰襟のバティックシャツもなかなか格好良いのだ。バティック生地は日本でも昔からジャワ更紗と呼ばれて親しまれていたから、日本人の雰囲気にも似合うのだろう。バティック柄のシャツを秋冬にクリーム色のベストなんかと合わせたら、とても素敵だと思う。

洋裁店のミシン。インドネシアの一般家庭では、今でも足踏みミシンを使っているところが多い

Yシャツの仕立ては1枚約600円ほどの価格だった。この価格でしっかり裏地までつけてくれるのだから安いと思う。4枚のYシャツの仕立ては1週間で終わった。仕立て終わったYシャツを取りにいったとき、洋裁店の主人は田んぼ仕事をしていたらしく、私と義母は彼が戻ってくるまで暫く仕事場兼居間でつけっぱなしのテレビを眺めていた。インドネシアには彼のように優れた技術を持っているはずなのに、その技術を田舎の片隅で、ひと月数人の顧客のためだけに使っている人が大勢いる。とても勿体無いことだと思う。

洋裁店のおじさん。いつも丁寧な仕立てをしてくれる

インドネシアの独立記念祭

さて、今年はインドネシアの独立70周年記念だった。仕立てあがったYシャツを取りに行った日がちょうど独立記念日で、マジャラヤの町もあちこちに紅白の旗が飾られ、大人と子供たちのための小さなお祭りが催されていた。

紅白の旗が飾られた小道。インドネシアの国旗の色は紅白である

インドネシアの独立記念日のお祭りの特徴的な出し物といえば、小さい子の顔くらいある大きなクルプック(揚げた米粉のお菓子)を競って食べる、パン食い競争ならぬクルプック食い競争だ。これは就学前から小学生くらいの子供たち向けの出し物だ。パンに比べて、クルプックは麩のようにカスカスしているうえにしょっぱいから、応援しているこっちまで喉が渇いてしまいそうになる。

クルプック食い競争の子供たち。少し緊張した顔が可愛らしい

それから、以前、日本のテレビ番組でタレントが挑戦していた棒のぼり競争もある。2階まで届く長くて太い丸太の頂上付近の、賞品を取り付けた輪を目指して、数人グループで丸太をよじ登るのだ。これは男性向けの出し物である。椰子の木に登りなれたインドネシア人も、油が塗ってある丸太には最初のうちはなかなか登れない。最終的に着ていた服で油を拭いながら登っていくのだけど、汗だくになりながら頂上のインドネシアの国旗を掴み取った人は、みんな少年のように笑っている。棒のぼり競争の賞品は場所によって違うが、衣類や日用品が多い。時々テレビが賞品としてぶら下がっていることもあるが、それは裕福な地区の祭りである。

棒のぼり競争。筋肉痛になりそうな競争だ

女性向けの出し物は、うなぎのような魚のつかみ取り競争がある。ぬるぬるしている掴みづらい魚を、みんなで「きゃーきゃー」言いながら掴んで走るのだ。この出し物の賞品はなんだろう。子供向けのクルプック食い競争の賞品がクルプックだったから、ひょっとすると競争で使った魚をくれるのかもしれない。いつか勇気を出して参加してみようと思う。

国旗の前で敬礼する子供たち。インドネシアの人たちは小さな頃から自分の国に誇りを持っている



(おまけ)独立記念日の飾りをつくる近所の女性

(おまけ)独立記念日はどこでもお祭りの雰囲気だ






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