インドネシアの麺事情

  • 2015/10/04
  • Indonesia

インドネシアの麺料理

主食はお米だけれど、インドネシアも日本と同じくらい麺好きが多い国だ。今回はインドネシアの麺について紹介したいと思う。インドネシア語では麺のことをMie(ミー)という。麺料理だったらほとんどの場合、料理名にMieの文字が入っている。例えば、Mie Ayam、Mie Bakso、Mie Yamin 、Mie Gorengなどだ。Mie Ayamは麺の上に甘く味付けされたAyam(アヤム:鶏)が乗った料理。Mie Baksoは麺の上にBakso(バッソ:タピオカ粉をつなぎに使ったもちもちとした肉団子)が乗っている。Mie Yaminは味付けされた麺がスープと分けられたつけ麺だ。Mie GorengはGorengが日本語で『炒める』という意味の言葉で、日本の焼きそばに似た料理だ。Mie Gorengの作り方は簡単で、小さな赤たまねぎとにんにく、黒大豆でできた甘い調味料、トマト、塩とコショー、好みでセロリなどの香味野菜を加えればできる。Nasi Goreng(ナシ・ゴレン:焼き飯)と作り方はほとんど変わらない。ここでNasi GorengのNasiが『ご飯』という意味だと思われた方は、インドネシア語のセンスがあると思う。

お店でMie Bakso(肉団子が乗った麺)を食べてみた

チーズ入りのBaksoが有名な店の外観

とても繁盛していて忙しそうだ

Bakso(バッソ)は一から自分で作るよりも、出来上がったものをお店や屋台で買う食べ物だ。Baksoのなかに牛モツが入ったものやチーズが入ったものなど、店によっていろんな種類がある。先日食べた義姉のおすすめのBaksoの店は、中にチーズが入ったMie Baksoが有名だった。麺は中華麺とビーフンが入っていたが、昼食として食べるには少ないかなと感じる量だ。ここの店では一番シンプルなMie Baksoが一杯約170円だったが、主役が麺よりも肉団子だったのでコストパフォーマンスはとても良いと思った。インドネシアの麺料理のお店でも、日本と同じように薬味がテーブルの上に置いてある。インドネシアの薬味は、お酢や黒大豆でできた甘い調味料、塩とコショー、辛いケチャップ、赤唐辛子と塩の激辛ソースなどだ。初めは辛くし過ぎたり甘くし過ぎたりと失敗していたが、最近は自分好みの味に調節できるようになってきた。

店の中。屋台が店の中に入っているのが面白い

一番ベーシックなタイプのMie Bakso

冷やし中華がないインドネシア

インドネシアの麺料理に使われる麺は、Mie Telor(ミー・トロール:卵麺)、Sohun(ソーフン:原料にタピオカ粉を使った麺)、Bihun(ビーフン:米粉の麺)、Mie Basah(ミー・バッサ:生めん)などである。蕎麦やうどんや素麺やきし麵はない。ちなみに冷たい麺料理も存在しないので、いつか料理の腕を上げたら、冷たい麺料理の店を開こうかと真面目に考えている今日この頃である。冷たい鶏飯なんかもインドネシア人にうけるかもしれない。Es Campur(果物やゼリーなどいろいろ混ざったカキ氷)や、Es Cendor(チェンドルというタピオカ粉と米粉を原料にしたぷよぷよな食感のものを椰子砂糖のソースとココナッツミルクをかけたデザート)など、Es(エス:氷)が入ったデザートはたくさんあるのに、インドネシアには冷たい料理がないのだ。

ビーフンを使ったインスタント麺とタピオカ粉の麺

インドネシアのインスタント麺

インドネシアはインスタント麺も種類が豊富である。Indofood社からインドネシア各地の料理をアレンジした商品を多く出しているIndomieシリーズ。Sarimi isi 2という一袋に2食分の麺が入った商品が特徴的なSarimiシリーズ。そして麺が美味しいと思うSupermiシリーズなどが出ている。WINGSFOOD社からはインスタント麺の具材にこだわったMie Sedaapシリーズ、KUALA PANGAN社からビーフンを使ったSUPER BIHUNという商品が出ている。

他にもコーヒーカップで作れるMIGELASシリーズや低カロリー甘味料の会社であるTROPIKANA SLIMが作っているインスタント麺などもある。どちらも他のインスタント麺に比べて健康的な面をアピールしていて、健康志向の強いインドネシア人に好評だ。

MIGELASシリーズとTROPIKANA SLIMのインスタント麺

インドネシアで売られているインスタント麺は乾麺の製品がほとんどで、生めんの製品は見かけない。HALAL(ハラル:イスラム教の教えに則って許されたもの)や流通の面で生めんの商品はまだ難しいのかもしれない。札幌にはイスラム教徒向けにお土産用の生めんのラーメンセットを製造している会社があるらしい。しょうゆ味と味噌味では、味噌味の方が私の周囲では好評だった。話が脱線してしまうが、インドネシアのテレビでたまに札幌の観光PRが流れているのを見かける。普通はマレーシアやオーストラリアのように国の観光PRなのに、札幌は道単位でつくったものなので驚いた。札幌はインドネシア人観光客取り込みに本気のようだ。空港内にイスラム教徒向けの礼拝室を設けた静岡も、札幌を見習って欲しいと思う。

いろんな味のインスタント麺

さて、話は戻ってインドネシアのインスタント麺についてである。インドネシアのインスタント麺はその味の種類の多さに驚く。日本のように塩、醤油、とんこつ、味噌をベースにした味の変化ではなくて、多彩なインドネシア料理を元にした味が多いので、それぞれ個性的な味が楽しめる。

インドネシアで売られているインスタント麺の例

例えばIndo mieシリーズからはインドネシア人に人気の鶏ダシのスープに、揚げたまねぎの風味が加わったあっさりしていて美味しい定番味(Ayam bawan味)をはじめ、ジャワ島西部のチレボンが発祥のこってりとした牛ダシスープ(Enpal Gentong)味、ジャワ島東部発祥の野菜がたくさん入ったあっさりした鶏肉のスープ(Soto Lamongan)味、バンドゥン発祥の牛肉の皮を乗せた通好みのスープ(Kocok Bandung)味などインドネシア各地の味が楽しめる魅力的なインスタント麺が出ている。

Sarimiシリーズからはカレー(Kari Special)味(日本のカレー味と同じ)、ジャワ島中部が発祥の、ゆで野菜に甘辛い落花生のソースをかけた料理(Pecel)味などが出ている。

MieSedaapシリーズからは、牛肉団子のスープ(Baso Special)味、牛肉の串焼きピーナッツソース味(sateという牛肉の串焼きがあり、炭火焼が一般的で路上の屋台から良い匂いが漂ってくる)や定番の鶏ダシ揚げたまねぎ風味(Ayam Bawan)味が出ている。

一般的にインドネシアのインスタント麺は、日本のものに比べて麺の量が少ない。SarimiシリーズとMie Sedaapシリーズでは一食分88g、Indo mieシリーズでは一食分75gほど。おやつや夜食として簡単に食べれるところがいい。それからインドネシア人はインスタント麺に、カリカリとした食感の揚げ玉のようなお菓子を乗せて食べることが多いようだ。

お菓子の歯ごたえがあるので、量が少ない麺でも満足できる

インドネシアの日清インスタント麺

日清食品から出ている激辛インスタント麺。唐辛子の辛さが強烈だった

日本の日清食品からもインスタント麺が売られているがインドネシアでは存在感が薄いようだ。インドネシアでは二番煎じの商品は名前さえ覚えて貰えないことがよくある。インスタント麺が欲しいとき、私の家族はよく「Indomieを買ってきて」という。それはIndomieが一番最初にインドネシアに登場したインスタント麺であり、インスタント麺=Indomieという印象が強いためであろう。こういったことはインスタント麺以外にもバイクや店の名前などさまざまな場面で見かける。日清食品も何か印象的な新商品を生み出すことが出来れば、インドネシアでの売り上げが飛躍的に伸びるかもしれない。

インドネシアのインスタント麺を日本で食べてみよう

インスタント麺好きの方はご存知かもしれないが、インドネシアのインスタント麺のなかには日本で手に入るものもある。Indomieから出ているAyam Bawan味やインドネシア風焼きそば(Mie Goreng)は日本の輸入食品店で買うことが出来たと思う。インドネシアのインスタント麺の味をぜひ試して頂きたい。そしてインドネシアを訪れた際は、インドネシアのいろんな種類の麺料理やインスタント麺を堪能して貰いたい。きっと気に入る一杯があると思う。

おまけ1

おまけ2






【参照】

【取材先】

・チーズ入りのBaksoが有名な店Bakso boedjangan:
 JL. Burangrang No.38、Kota Bandung






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