ドバイ政府公認ガイド歴19年の日本女性が語る!素敵すぎる普通のドバイ

  • 2016/10/10
  • Dubai

25年前、ドバイが更地だらけだった頃からアラブの世界に魅せられ、当地でガイドとして活躍する日本人女性がいます。筆者が出会った様々な日本人の中で、今回ご紹介する中尾理恵(なかお りえ)さんほど、アラブ文化を熟知した方はいないでしょう。『ドバイ政府公認ガイド』の資格を持ち、現地人と結婚し19年もガイドの仕事をしている方です。世界中を旅したお客様からも“世界一頼もしいガイド”と評された彼女は、普通のドバイを紹介すべく自宅でアラブ文化ツアーも主催する、スーパーウーマン!今回はアバヤをまとう砂漠の大和撫子、理恵さんの素敵なストーリーをご紹介します。

ゴージャスなだけではない“普通のドバイ”を紹介したい

ドバイといえば“高級品に身を包んだアラブ人が優雅に暮らす、砂漠未来都市”というイメージが、日本では定着していますよね。しかし、筆者も実感しましたが、暮らしてみると良い意味でもギャップを感じます。観光で来ると、そんなドバイの多面性を知る機会はないものですが、理恵さんのガイドとなれば、そんなことはありません!なぜなら、素のドバイも面白いから、それも見てほしい、という強い信念を持っているためです。

観光客は世界一のもの、豪華なものに興味があるのは勿論、この国の文化、生活をもっときちんと知りたいという要望があると理恵さんは感じています。日本人が持つイスラム教徒に対するイメージを、実際の生活、体験などを通して、わかりやすく本当のことを伝えたいと思っています。

「イスラム教徒の女性は社会的抑圧など、ネガティブなイメージが強いですが、イスラム諸国でもそれぞれ違うこと、特に湾岸女性は非常に大切にされていること、メトロ、タクシーなどには女性専用車両や、女性大臣など、女性がこの国では非常に活躍していることを知ってほしいです。」と言う理恵さんは、観光で来るお客様の長距離移動中を“ガイドの実力発揮の場”と考えています。

ガイドツアーに参加したお客様の声は、こんな感じ!「理恵さんはドバイの生活、結婚、教育、女性など、ご自身の体験から色々なお話をしてくれる。なかなか聞けないことを移動中に話してくれて、この国がよくわかった。」大臣・知事をVIPガイドした際は「歴史を詳しく説明してくれ、民俗学を専攻したのかと思った。」「ガイドの実力は勿論のこと、理恵さんのお人柄が素晴らしい。」などなど!

「ドバイは人も物も流動的で、数年でガイドが入れ替わります。訪れるたいていの観光客は、普通の生活、習慣を知ることができません。私はこの国に惚れ、定住の身として永年ガイドをし、これからもずっと大好きな湾岸アラブを日本の皆様にご紹介していきたい。覚悟と思い入れが違います。」

観光で訪れた国の、本当の姿を知ることにより発見があれば、旅の思い出が一層深いものになりませんか?

プロのガイドとは?

理恵さんは、ガイドのサービスについて最近懸念があるとか。ネットを通じて、現地に住んでいるだけで誰もがガイドをする時代になったことが、背景にあります。

「ドバイでは、資格なしでガイド業務を行うことは違法です。違法ガイドは無免許、無許可でガイドを行い、高価なガイド代を取っているだけでなく、資格を持ったガイドの仕事の機会を奪っていることになります。ただ、違法ガイド側だけでなく、ユーザーもその旨を知らないのです。その国についてよく知ることにより、旅行が満足いくものとなるかは、ガイド次第。プロのガイドは政府公認ガイドとして十分な知識を持ち、またその国の代表、大使としてのプライドを持ち仕事をしています。」

訪れる国の法律を守り、旅がより奥深いものとなるよう、ユーザー側も正しい知識を得る必要がありますね!

25年前“砂漠だらけ”のドバイに来たきっかけは……

そもそも、ドバイが現在のように発展するよりも前に、理恵さんがドバイに来たのはなぜでしょうか?

キャリアのスタートは、ホテルのフロントでの勤務。その間、添乗員になるため、旅行会社が経営できる“一般旅行業務取扱主任者”資格を取得。1992年国の事業である『世界青年の船』に参加し、一気に世界観が広がりました。アラブ人に初めて接したのもこの時です。オーストラリアから日本への帰路、さらにアジア、アラブ、ヨーロッパと半年間一人旅。帰国後3年間添乗をし、20代に約50か国訪問。1996年に再度『世界青年の船』管理部通訳としてドバイ訪問。帰国したものの、アラブに対する想いが忘れられず、最後のつもりでシリア・ダマスカスにアラビア語の勉強へ。その後ドバイに住みたくて、1999年に直接ドバイへ来て、旅行会社で働き始めました。

その後、イスラム教である旦那様とめでたく結婚するにあたり、改宗されました。そして、3人のお子さんに恵まれました!

理恵さん宅流“アラブ家庭のおもてなし”が大人気!

家族全員でもてなす文化体験ツアーの様子

理恵さんは一般庶民の生活を知ってもらえるよう、自宅に招いて文化体験ツアーを主催しています。このツアーが、今、日本人観光客に大人気です。レストランでは味わえない、旦那様手作りの家庭料理や、ホームメイド・スイーツでティータイムと、家族でおもてなし。この国の文化、生活、歴史について話し、簡単なアラビア語講座、カリグラフィー講座なども開催しています。また、修学旅行生にも自宅へ来てもらい、子供同士の文化交流なども。特に3人のお子さんは地元の公立の学校に通い、アラビア語で授業を受けていますが日本語、英語と3カ国語話します。子ども同士の交流も、貴重な体験になるのではないでしょうか。

理恵さん宅文化体験ツアーでの素晴らしいご馳走の一部!

筆者も実際におもてなしをしてもらったことがありますが、居心地が良すぎて帰りたくなくなったことを覚えています!

アラブの雰囲気たっぷりの理恵さん宅。

普通のドバイを紹介したい長年の夢が、このような活動を通して叶いつつあり嬉しい、と言う理恵さん。筆者が20年前と今のドバイの魅力に変化があるか聞いた所、「……近代と伝統や多種の文化がうまく融合し、多国籍国家という背景から、外国人、観光客に非常に親切で、治安もよく安心して楽しめる。その魅力は20年前と変わらない!」とのこと。

理恵さんファミリー。湾岸諸国文化人を中心にネットワークがある作家の旦那様と、3ヶ国語を操る子どもたち。

今後の夢は、自身のアラブ書道の個展を湾岸諸国で開催したい。作家である旦那様が文化に関する辞書・文献を作成中(理恵さんが挿絵担当)で、翻訳をつけて博物館などに展示したい。中東進出を希望する日本企業のサポート業務をしたい。日本帰省時に日本の学校を訪問しUAEについて紹介しているため、今後も家族全員文化交流使節団として、このような活動を続けていきたい。20年住んだこの国に恩返しがしたい……と夢がいっぱい!

理恵さんの作品。アラブ書道と日本の俳句のコラボ

すでに叶いつつある夢ですが、より多くの人に知られてサポートが得られるよう、応援したくなってしまいます。

シャルジャ文化長官からコーランのシンポジウムのため依頼され、ラクダに関する一節をアラビア語と日本語で。王様もご高覧!

では、مع السلامة マッサラーマ(また会う日まで)!






【取材協力】

・中尾理恵・・・ドバイ政府公認ガイド歴19年。アブダビ政府公認ガイド歴5年、アブダビガイド歴19年。ガイドと観光・サービス業に20年以上従事し、主に大臣・知事などのVIPガイドを担当。現地人と結婚し17年。湾岸諸国に精通し、リクエストがあれば湾岸諸国へもアテンド可能な唯一の日本人ガイド。当国で最初に働いた旅行会社で、パートナーとして日本マーケットを立ち上げ、文化体験ツアーを主催。現在はドバイの隣のシャルジャ首長国在住で、アラブらしさが残る文化都市でもあるシャルジャを拠点に、自宅で湾岸アラブをもっと紹介したいと思っている。次男が3月に『ハムダンアワード』という国をあげての“優等生大会”で受賞し副首相より表彰されたことが、最近のビッグニュース!(参考:国内の公立学校の現5年生で2名ほどしか選ばれない、名誉な賞。過去3年間の成績が90%以上は最低応募条件で、学力だけでなく、特技、趣味、スポーツ、環境、ボランティアなど国レベルのいろんなコンテストで優勝など、沢山の活動が対象となります。)


 文化体験申し込み、ガイドリクエストなどの問い合わせはこちらへ。

 メールアドレス: rimuko2002@hotmail.com

saif hamdan award 2016

【参考】

・ドバイ政府公認ガイド ・・・Tour Guide - Dubai Government Department of Tourism and Commerce Marketing(ドバイ政府観光商務局)

 tgtms.dubaitourism.ae/about.htm


・「世界青年の船」・・・内閣府主催、国際的日本人育成を目的とした国のプログラム。※1992年時は、総務庁(現内閣府)主催。

 www.shipforworldyouth.org/J/






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