日本ではあり得ない「ラーハ」なドバイの美意識とは?!

  • 2014/05/06
  • Dubai

みなさん、初めまして!
ここドバイに住んで3年目、世界中で琴と着物による異文化交流をしてきた舞スーリです。

これまでシンガポールなどの海外3カ国に移住しましたが、ドバイに住み始めた途端、日々が”ビックリ”の連続となりました。

なぜかと言うと、アラブ圏の文化が他のどこの国とも大きく違っていたからです。アラブならではの”美意識”が、とても新鮮でした。日本に住んでいた頃の、モノや情報にあふれた目から見ると、ハッとするような発見があるのです。

そんな、ちょっとした驚きを、当地の文化やビューティー事情などをまじえて、今後どんどんみなさんにお伝えしていきます!

今回は、初回なので「ドバイってどんな国?」というところから入りたいと思います。

では、Yallah…ヤッラー(行ってみよう)!

2つの異なった時間が流れるドバイ

まず、ドバイと聞くと、やっぱりセレブなイメージがありますよね!

でも、ドバイの本当の面白さは、実は世界一高いタワーでもなく、ゴージャスな7つ星ホテルでもないのです。

筆者が実際にドバイに住んでみて感じたのが、”国際都市としてのスピード感にあふれるドバイ”の側面と、”現地の人を始めとしたイスラム教の人々の生活の速度”が、正反対であること。

この”真逆の時間軸が2つ同時に流れていること”が、ドバイの隠された魅力なのです!

国際都市ドバイ

1つ目の時間軸は、スピード感にあふれる”国際都市としてのドバイ”です。これは、めざましい経済発展によるものです。

ざっくりドバイの歴史をお伝えすると、今でこそ超近代都市と呼ばれるドバイですが、1966年に石油が発見され開発が始まるまでは「結構地味だった」って、知っていますか?
その当時のドバイの人々は、小さな漁村の民で、漁業と真珠の輸出で暮らしていました。高層ビルどころか、街もなく、まっさらな砂漠だったのです。

それが、現在では緑があちこちに植えられ、数々の街、そして高層ビルが建設されました。たった40年で様変わりしたドバイは、まさに、ゼロから作り上げられた夢の人口都市なのです!

ここまで世界の注目を集める国に発展したのが、ひとえに首長の手腕によるもの。石油が枯渇することを早くに見越して、ハブ空港と貿易港をつくり、世界中に投資を呼びかけました。その結果、ドバイは世界で随一の物流拠点になり、石油に依存した経済の脱却に成功したのです。

それからのドバイは、ブランド化した観光都市に! 世界一大きい噴水、世界一広いショッピングモールなど、砂漠の中に次々と”世界一の⚫︎⚫︎”という名所を作り、今日みなさんに知られるドバイとなったのです。

ちなみにドバイは7つの首長国からなる『アラブ首長国連邦(UAE)』の中のひとつの国名となります。面積は、埼玉県ほどの大きさ。現在、ドバイの人口はほぼ217万人(2013年8月時点)で、80%以上が外国人移住者と、超国際都市!

「ここにいれば、世界中の人と会える」と言われるほど、様々な国の人々がいます。こういった外国からの労働力や投資によって、経済が支えられているのです。

ゆるり〜としたイスラムの生活

さて、そんなドバイの目にも留まらぬ発展の裏に、なんとも、ゆるり〜とした時間が流れています。これは『ラーハ』と呼ばれています。

『ラーハ』は、ある特定の時間を意味します。イスラム教の人々にとって労働、遊びと並んで大切な時間のひとつで、日本語に訳すと”休息”。

その意味は、家族と団欒の時間、神に祈りをささげる時、ごろんとする時間、物思いにふける時間などとなります。

『イスラームの日常世界』の筆者である片倉もとこさんは、これを”ゆとり”と”くつろぎ”をあわせて”ゆとろぎ”という造語で表現されていました。働いて疲れたから休むのではなく、このゆとりの時間を持つために働く、という発想であることがポイントです。

『ラーハ』の考え方がもたらされた理由は簡単です。砂漠の過酷な気候の中で、生産性を重視した価値観をあてはめてしまうと、無理があるためです。

これは、私たち日本人が満員電車に揺られて通勤し、残業が当たり前であくせく生活せざるを得ない生活からすると、考えられない価値観かもしれません。

例えば日本の学校で、ボンヤリしている生徒がいたら「ぼーっとしてないで早く勉強しなさい」って先生に怒られてしまいますよね。日本では「忙しいとがんばっている証拠で、良いことだ」という価値観がありませんか?

イスラムの人々にとって、それは考えられないこと。1日の中で休息やボンヤリする時間をたくさん持つことが、いい生き方なのです。

このように、イスラム教の人々は、宗教と生活がとても密接した暮らしをしています。『サラート』と呼ばれる1日5回のお祈りが欠かせませんし、毎年1ヶ月間は『ラマダン』という聖なる月に、断食をします。これは、”貧しい人たちの気持ちを理解し、食べられるありがたみを再認識する”目的で行われます。

隠す美こそ本物

そんな独特な価値観があるイスラム社会においては、女性の外見の見せ方にも規定があります。
みなさんも、テレビなどで黒い衣装に身を包んだ女性たちを見たことがあるかもしれません。

イスラム教の男女は、肌を露出しない民族衣装に身を包みます。

特に、女性の場合は、『ヒジャブ』というスカーフで髪の毛を隠し、『アバヤ』というロングドレスで身体をすっぽり覆わなくてはいけません。イスラム教の聖典『コーラン』に、女性に対して「美しいものは隠しなさい」という教えがあるからです。

アラブ諸国の中で、ドバイは最も開放的な国なので、人によってはイスラム教の女性でも、アバヤでなく洋服を着ていることもありますが、それでも多くの女性が好んで『アバヤ』を身につけます。
当地では、日本や欧米の露出過多なファッションはとんでもなく、例えばミニスカートをはいている女性は、ショッピングセンターに入ることも許されません。

なお、隠すのは身体だけではありません。
日本では、美しい髪の女性は積極的に見せようとしますよね。でも、アラブ諸国では逆です。

”髪は女の命”なのはアラブ諸国でも同じことですが、それゆえ隠すのです。
髪が女性の最大の魅力のひとつだとわかっているため、その美しさを尊重するためです。

アラブ諸国では、ヘアサロンも、このように男女別となっています。写真は右が女性用、左が男性用となっています。

特に女性のヘアサロンは、一般的に中が見えない作りになっています。ちょっと入るのがためらわれる雰囲気ですよね?!

ここだけの話、筆者は個人的に、日本で多い”外から丸見え”のヘアサロンだと落ち着かないから、この密室感が結構気に入っています。

さて、こちらは、ドバイで人気のヘアサロン。

この『Jet Set Hair Salon』というヘアサロンは、ドバイですでに3店舗を展開しています。
60年代にエアラインがオシャレだった頃をイメージしたユニークな内装と、国際的に活躍するスタイリストたちがいることで、注目を浴びています。

『What's On Award' for Dubai's Favorite Hair Salon -2013!』という賞で、昨年はドバイで最も優れたヘアサロンの1位に選ばれました。

お値段は、カット、ブローで280ディルハム(日本円で7,800円程度)から。
もちろん、女性専用のサロンです。

このように、美しくなる過程も、美しくなった後も「わたしの美しさは、特別な”あなた”だけに見せる」のが、アラブの女性たち。彼女たちは、とても自信にあふれています。

思わず振り返ってしまうほど目力が強いアラブ女性が多い中で、あえて美しいものを隠す贅沢さ!

”江戸の粋”に通じるような、肩の力が抜けた”ゆるり〜”としたそんなアラブの贅沢さが、時間の使い方と美意識に現れているように感じます。

さて、みなさんは今日、どのくらい『ラーハ』しましたか?
深呼吸をして、ぼーっと夕陽を見るなど、ゆとろぎの時間をつくってみてくださいね!

では、مع السلامة マッサラーマ(また会う日まで)!






【画像協力】

・Emma Scott 〔▪️国際都市ドバイ ー ラクダの写真〕

アバヤショップ Habibty 〔◼︎隠す美こそ本物 ー アバヤを着用したモデルの写真〕
この記事を見た方は、ショップの商品が2014年8月28日まで20%オフ!ベリーダンサーに必須のアバヤだけでなく、スカーフもあります。

Celia Peterson、プロフォトグラファー&映画制作者 〔▪️ゆるり〜としたイスラムの生活 ー 3名の民族衣装の男性の写真&◼︎隠す美こそ本物 ー アバヤを着た女性の写真 〕

Jet Set Hair Salon 〔◼︎隠す美こそ本物 ー ヘアサロン内写真〕

【参考】

・片倉もとこ(1991)『イスラームの日常世界』岩波新書






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