美容室開業について(1) ~行政書士の視点から~

  • 2014/08/18
  • Business



はじめまして、行政書士の南崇宏と申します。BASB Magazineで皆様の事業や暮らしに必要な行政手続きについてのご案内をしていきたいと思いますので宜しくお願い致します!

厚生労働省の統計によると、全国の美容室店舗数は約23万店ほどあり、5年前と比べると1万店ほど増えています。コンビニの数が約5万店ほどなので、日本全国にはコンビニの4倍以上もの美容室が存在するということです。統計では美容師の数は約48万人ほどですので、美容師の半分は自分でお店を持っている経営者ということになります。従業員として働いている多くの美容師も、いつかは独立するという気概で日々頑張っているのではないでしょうか。

お読みいただいている皆様の中には、これから個人で美容室を開業したいという方も多いと思います。個人事業を始めるときに気をつけたいことを、美容室の開業を例にして見ていきたいと思います。

構想

技術を磨きながら一生懸命開業資金を蓄えてきた美容師さんにとって、独立は人生において大きな転機となります。必要な手続のスケジュールや資金計画をしっかりと立てて、事業を軌道に乗せていかなければなりません。

まずは、どのようなサロンにしたいのかコンセプトを作っていきましょう。

サロンのイメージや、ターゲットとしたいお客様のイメージから、立地や価格帯などの概要を考えていきます。あわせて、必要な情報も収集していきます。ここで具体的なイメージを作っていくことで、実際の開業準備や事業計画の作成につなげていくことができます。

準備

ご自身のイメージするサロンのコンセプトをもとに、事業計画を作成し、開業場所の候補地を探していきます。具体的な資金計画についても考えてなければなりません。自己資金を確認して、不足分は両親や家族などから借りたりするなどをして、後になってから資金が不足してしまうことがないようにしっかりとした資金計画を立てましょう。また、融資や助成金などの制度もありますが、これについては改めてご説明を致します。

開業場所が決まったら、業者と打ち合わせをして店舗の設計・施工を行い、必要な機器についても選定をしていきましょう。具体的なサービスメニューや料金を考えたり、スタッフを雇う場合は求人活動も行います。

店舗の物件や内装の計画が固まったら、保健所の窓口に相談に行きましょう。美容室は、保健所の定めた基準に合わなければ開設することができません。工事が終わってから保健所に相談に行って、基準に合っていないことが判明した場合は、工事のやり直しなどで余計な出費が発生してしまいますので、工事を始める前に保健所窓口にご相談下さい。

保健所の手続ですが、下記の通りとなります。美容室の開業には、保健所に「理容所・美容所開設届」を提出し、検査を受けなければなりませんので、忘れずに保健所の手続をしなければなりません。


1.事前相談

2.書類提出

3.施設検査

4.所内審査

5.開設

(事前相談)

理容所・美容所には室内の構造や設備に関する基準があります。基準に合わないと開設することが出来ませんので、工事着工前に図面を持参して保健所の窓口にて相談をしてください。

(書類提出)

必要書類を準備して、開設日の10日前までに保健所窓口に保健所窓口に提出します。また、保健所で発行しているガイドブックを参照しながら必要な設備・器材・器具を施設検査の暇での準備をしてください。

(施設検査)

施設が完成したら、保健所職員が施設面積、設備等の検査をします。開設日の2日前までに検査を受けて下さい。施設が完成していなかったり、設備が整っていなければオープンすることができませんのでご注意下さい。

(所内審査)

検査後、中1日(土日を除く)程度で審査が行われます。

(開設)

審査が終われば、保健所から確認済書の交付の連絡が来ますので、保健所に取りに行きます。確認済書は再発行されませんので、大切に保管して下さい。

オープン

オープン直前には、チラシやホームページなどで広告宣伝を行い、ターゲットとしているお客様にこれからオープンする皆様の美容室をしっかりアピールしましょう。必要な化粧品や備品についても準備しなければなりません。また、実際に営業のシミュレーションなどをして店内を移動するときの導線や機器の配置の確認をして、問題があるときはオープンまでに改善をしておけば、安心して開業を迎えられるようにしましょう。

ここまで、個人事業主の開業について美容室を例にして見てきました。ご自身の行いたい事業のイメージを、しっかりとした事業計画と資金計画に落とし込んで、そこから計画を具体化していきましょう。美容室開業のように役所への届出などが必要な場合は、無許可営業にならないように事業を開始するまでにしっかりと手続を行いましょう。

今回の記事はいかがでしたでしょうか。次回は、開業後に必要な手続や補助金などについてご説明をしたいと思います。






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